FC東京が唱える監督2年周期強化論は誤っているのか?

東京が何を目指してどこを目指してやっていくのかというのを明確にしていく必要があると思う。

浦和は監督を新しくして、4年、5年やっている、そこに強みや力は絶対にあると思う。

そこは東京としても大事な部分。

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2016年10月6日に開催されたルヴァンカップ準決勝第2戦。

浦和レッズとの試合を終えたFC東京MF東 慶悟選手のコメントです。

 

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・・ まるで、FC東京と浦和レッズの2016年シーズンを象徴するかのようなコメント。

これを聞いて、東選手に共感するFC東京ファンはいることでしょう。

少なくとも、Twitterでは同じ監督のもとで継続していくことを希望するツイートを散見しました。

 

さて、中の人はどうかと言うと、天邪鬼な性格なものですぐに同調することはできません。

せっかくなので他クラブはどうか知らべてみました。

そもそも 「監督2年周期論」とは

2016年7月26日に元サッカーマガジン編集長の北條聡がリリースしたコラムが発端です。
そのタイトルは “継続は「災い」なり!? カオス東京の病巣”

Googleで検索してクリックすると・・

消されている! ∑(・ω・ノ)ノ

これが噂のJリーグの闇・・

 

ウェブ上からは削除されているようなので読むことはできませんが、何が書いてあったというと「FC東京フロントへの批判」と「監督が短期間で交代する」という事実です。

そこで注目されたのが「継続性」というキーワードです。

FC東京の立石敬之ゼネラルマネージャーの持論に、下記のようなものがあります。

 

選手は色々な監督に出会い異なるスタイルを落とし込むことで力を育む。

1人の監督に長期政権を必ずしも委ねる必要は無い。

簡潔に言うと、攻撃に長けた監督のもとで攻撃力を。守備に長けた監督のもとで守備力を磨く、と。

それらを結合させることで攻守に充実したチームができる・・ということらしい。

 

まずはFC東京の直近10年間の監督と指揮期間を見てみましょう。

2006年1月- 2006年8月 アレッシャンドレ・ガーロ 8ヶ月
2006年8月-2006年12月 倉又 寿雄 5ヶ月
2007年1月-2007年12月 原 博実 12ヶ月(1年)
2008年1月-2010年9月 城福 浩 33ヶ月(2年9ヶ月)
2010年9月-2011年12月 大熊 清 16ヶ月(1年4ヶ月)

2012年1月-2013年12月

ランコ・ポポヴィッチ 24ヶ月(2年)
2014年1月-2015年12月 マッシモ・フィッカデンティ 24ヶ月(2年)
2016年1月-2016年7月 城福 浩 7ヶ月

 ※シーズン開始を1月、終了を12月とした場合。また、2012年1月1日は2011年12月でカウントする。

攻撃的なポポヴィッチで2年間。守備的なフィッカデンティで2年間。

この集大成として招聘した城福浩が7ヶ月間で大コケ。

 

同監督または同スタイルの指導を継続させて熟練度を上げていくべきだ!

 

というのが意見がFC東京ファンの大部分・・のような感じを受けます。Twitterを見ていると・・。

5年目に突入したペトロヴィッチ監督率いる浦和レッズに凹凹にされた直後なだけに・・ね。

まぁでもそれが率直な感想だと思いますです、はい。

 

立石GMは “必ずしも” とつけているので、来季に向けて見直しが入るかもしれません。

 

さて、どうなるのでしょうか。

こういうのもサッカーを見る楽しみのひとつだったりします。

他クラブはどうだったのか

それはそうと・・天邪鬼な私は思いました。

 

本当にそれで良いのか、と。

過去に優勝争いをしたクラブの監督事情はどうだったのか、と

 

一部ですが、他クラブはどうだったのかを調べてみました。

 

■横浜F・マリノス(横浜マリノス)

 

1995年 ホルヘ・ソラリ
1995年-1996年 早野 宏史
1997年-1998年 ハビエル・アスカルゴルタ
1999年 アントニオ・デラクルス
2000年-2001年 オズワルド・アルディレス
2001年-2002年 セバスティアン・ラザロニ
2003年-2006年 岡田 武史
2006年 水沼 貴史

 

1995年はファーストステージとチャンピオンシップ優勝。

2001年は残留争いの中でヤマザキナビスコカップ優勝を果たしました。

そして2003年は完全優勝。2004年はファーストステージとチャンピオンシップ優勝で2連覇達成。

初優勝を飾った1995年以降、全盛期の2003,04年以前は監督継続最長期間は2シーズン。

日本、スペイン、アルゼンチン、ブラジルの計4ヶ国に渡って監督を招聘していました。

 

■ジュビロ磐田

1994年-1996年 ハンス・オフト
1997年 ルイス・フェリペ・スコラーリ
1997年 桑原 隆
1998年 バウミール・ロールス
1999年 桑原 隆

2000年

ハジェヴスキー・ギョキッツァ

2000年-2002年

鈴木 政一

2003年

柳下 正明

2004年

桑原 隆

2004年-2006年

山本 昌邦

 

1997年にセカンドステージとチャンピオンシップ優勝で初の年間王者に。

1998年はヤマザキナビスコカップ優勝。

1999年はファーストステージとチャンピオンシップ優勝。そしてアジアクラブ選手権とアジアスーパーカップ優勝とアジアを舞台にタイトルを獲得しました。2001年は無冠に終わりましたが、年間勝点最多。そして2002年は文句なしの完全優勝。また、アジアクラブ選手権では3年連続決勝進出しました。2003年は天皇杯優勝。

長期政権とは程遠く、意外にも1年間で監督が交代するケースが目立ちます。

監督を務めた方の国籍は日本、ブラジル、オランダ、マケドニアと計4ヶ国に。

 

■ジェフユナイテッド市原・千葉

1993年 永井 良和
1994-1995年 清雲 栄純

1996年

奥寺 康彦
1997年-1998年 ヤン・フェルシュライエン
1999年 ゲルト・エンゲルス
2000年-2001年 ズデンコ・ベルデニック
2002年 ジョゼフ・ベングロシュ
2003年-2006年 イビチャ・オシム
2006年-2007年 アマル・オシム

 

2005年、2006年とナビスコカップを連覇。

イビチャ・オシム監督のもと“走るサッカー”ブームを牽引しました。

オシム氏の前はルーマニア、スロバキア、スロベニアと東欧国から監督を招聘しています。

優勝回数は少ないですが、ズデンコ・ベルデニック氏が監督に就任した2001年頃からリーグ戦で安定して上位に顔を出すようになりました。そしてその後は・・。

 

■アル・ヒラル(サウジアラビア)

2006年-2007年 ジョゼ・ペセイロ
2007年 トニーニョ・セレーゾ
2007年 マルコス・パケタ
2007年-2009年 コスミン・オラロイ

2009年-2010年

エリック・ゲレツ
2010年-2011年 ガブリエル・カルデロン
2011年-2012年 トーマス・ドル
2012年 イワン・ハシェック
2012-2013年 アントワーヌ・コンブアレ
2013年-2014年 アル・ジャービル
2014年-2015年 ラウレンティウ・レゲカンプフ
2015年 マリウス・シプリアン
2015年-2016年 ギオルゴス・ドニス
2016年 アル・フサイニ
2016年 グスタボ・マトサス
2016年 マリウス・シプリアン
2016年- ラモン・ディアス

 

ちょっと中東のサウジアラビアに飛びまして・・。アジアのボスとも言われるアル・ヒラルです。

2年周期なんて甘かったです。2年経てば良いレベルでした。

これでもリーグ優勝はもちろん、アジア・チャンピオンズリーグでも決勝に進出しています。

 

■FCソウル(韓国)

2005年-2006年 李章洙(イ・ジャンス)
2007年-2009年 シェノル・ギュネシュ
2010年 ネロ・ヴィンガダ
2011年 皇甫官(ファン・ボカン)

2011年-2016年

崔龍洙(チェ・ヨンス)
2016年- 黄善洪(ファン・ソンホン)

 

東アジアに戻しましょう。韓国のFCソウルはどうでしょうか。

2010年と2012年にリーグ優勝。2015年にはFAカップを優勝しています。

優勝を逃したシーズンも2008年以降は4位以上に位置しており、安定した強さを誇っています。

 

■東京ヤクルトスワローズ

1999年-2005年 若松 勉
2006年-2007年 古田 敦也
2008年-2010年 高田 繁
2011年-2014年 小川 淳司

2015年-

真中 満

 

せっかくなので他競技も見ておきましょう。野球の東京ヤクルトスワローズの場合です。

2001年に日本一。2015年にリーグ優勝を果たしています。

ざっくり平均で3年周期・・でしょうか。

 

■ディナモ・キエフ(ウクライナ)

2004年-2005年 ヨーゼフ・サボ
2005年 レオニド・ブリャク
2005年-2007年 アナトリー・デミアネンコ
2007年 ヨーゼフ・サボ

2007年-2009年

ユーリ・セミン
2009年-2010年 ヴァレリー・ガザエフ
2010年-2012年 ユーリ・セミン
2012年-2014年 オレグ・ブロヒン
2014年- セルゲイ・レブロフ

 

欧州に移動しましょう。ウクライナの雄、ディナモ・キエフ。

ほぼほぼ2年周期。2009-10シーズンから2012-13シーズンまではタイトルから遠ざかっていましたが、リーグ戦は2位が3回、3位が1回と安定した成績。

 

■リーベル・プレート(アルゼンチン)

2002年-2003年 マヌエル・ペレグリーニ
2004年-2005年 レオナルド・アストラーダ
2005年-2006年 レイナルド・メルロ
2006年-2007年 ダニエル・パサレラ

2007年

ホルヘ・ゴルディージョ
2008年 ディエゴ・シメオネ
2008年 ガブリエル・ロドリゲス
2009年 ネストル・ゴロシート
2009年-2010年 レオナルド・アストラーダ
2010年 アンヘル・カッパ
2010年-2011年 フアン・ホセ・ロペス
2011年-2012年 マティアス・アルメイダ
2012年 グスタボ・サパタ
2012年-2014年 ラモン・ディアス
2014年- マルセロ・ガジャルド

 

まとめる気が起きないこのラインナップ・・。

ざっくりまとめると、何回かリーグ優勝して、降格して、南米チャンピオンになります。

 

■アーセナル(イングランド)

1996年- アーセン・ベンゲル

 

ティエリ・アンリ全盛期にタイトル獲得して、その後はご存知の通り。

優勝できなくてもリーグ戦上位には位置していました。近年はFAカップを優勝しましたね。

2年周期でも優勝争いをしているクラブは存在している

適当にピックアップしてみましたが、継続という道を辿らなくても結果を出しているクラブはあります。つまり、選手補強 やり方次第でどうとでもなる・・と。

 

冒頭でも書きましたが、監督の2年周期交代説に賛同しているわけではありません。

かといって、継続が唯一の解決策みたいになっていますが本当にそうなのか・・という疑問から調べてみました。

 

結果、正解の無い問題ということです。

なるようになる。なるようにしかならない。

 

一部報道によると、篠田監督続投で話は進んでいるようです。

2017年のFC東京、どうなるでしょうか。